咲宮家族の日記帳
※TW4、サイキックハーツと言う単語に聞き覚えのない方はUターンぷりーず※
都忘れ
え、俺の恋バナとか誰得?
嘉凪:さあ…?でも、需要があるっぽいし、ね?
とりあえず、人をネタにするお前は灼滅しとくか
嘉凪:ぎにゃー!!!やめてー!!!!
…それはともかく、私を落ち担当に入れるのやめてほしいんだけど…
嘉凪:茶化されて恥ずかしくてジタバタしてるのが何言う
と言うワケで、始まるよ!
正月休みに響が管理している陰影礼賛で使用している日本家屋。
響への年始の挨拶と親からの仕送りをお裾分けに来た律花が訪れたある日の事。
「そう言えば、響は深見さんと別れたの?」
先日だしたコタツの片隅で律花がミカンを食べながらぽつりと呟いた。
年始の明けたばかりなので、幸いにもその時その部屋に響と律花以外の人はいなかったのと、
この時期は道路の交通量も多くない。お蔭であまり大きくない呟きは嫌でもお茶の準備をしていた響の耳に届いていた。
「…藪から棒にどうしたんだよ」
溜息を吐きながらお茶を差し出してやれば、一つ礼を言いながら律花は受け取る。
外は相変わらず寒いのだろう。雪は降っていなかったが、それでも冬空の空は寒々と外の寒さを物語っていた。
その空を見上げて、んー、と律花は軽く唸る。そんなに大した理由があって口にしたワケではなさそうだ。
「や、こっちに来て一年経つけど、そう言えば一度も連絡取ってないみたいだし…」
「律は取ってるのか?」
「年始のあいさつメールとかはする程度よ。響にもよろしくって言われたから、別れたのかなと思って」
「ああ。こっちにくる時にな」
湯呑を傾けて思い出すのは、長い黒髪と、下の妹と同じく自分を「ひー君」と呼ぶ声。
深見 詩鶴(ふかみ しづる) 響が以前に交際していた二つ年上の女性だ。
けれど、響が灼滅者として覚醒し、武蔵坂学園に来る際にその関係を終わらせていた女性でもある。
ふと、別れ際に怒鳴りも悲しみもしなかった彼女の顔を思い出しながら、響はつい苦笑した。
そう言えば、詩鶴は家に何度も来た事があったから、律花も仲が良かったから連絡を取っているのも当然だと言うのに、それを今まで妹に告げなかった自分の弱さに苦笑しか零れなかったのだ。
「…なんで別れたの?」
「急にどうしたよ」
今日はやけに食いついてくる律花に苦笑しながら、響は彼女が持ってきた実家からの福岡名物の菓子に手を伸ばす。
そう言えば、詩鶴もこれ好きだったな、とか久々に思い出して袋を開けながら。
「気になっただけよ。でも…なんで?」
「何でって言われても…詩鶴も就職だったし、としか言いようがないが」
「…灼滅者、だから?」
「は?」
「響が灼滅者になったからなの?」
「あー…まあ、それもある」
菓子を口に含むとやたらと甘い味がした。こんなに甘かっただろうか、と心の中で首を傾げるが、きっとそれは実際にも首を傾げてしまっていたのだろう。律花が自分を見る目が少々厳しくなったように感じた。
「じゃあ、なんで」
「色々あるけど…遠距離とか負担かけたくないだろ」
そう、理由は色々あったはずだ。色々あったはずなのに、口から言葉になったのはたった一つの、どうでもいい言葉だった。
ただ、彼女の事を嫌いになったからではない事は覚えている。
他の理由も思い出そうとする微かな仕草を読み取ったのか、律花が怪訝そうな顔をする。
「…今でも好きなんじゃない」
呆れたように呟かれた声。それに響は先程から同じ顔しかしていないのだが、再度苦笑を張り付け…ようとして、
ニヤと口元に笑みを浮かべた。
「だから違うって言ってるだろ。んで、律花は春翔とどうなんだよ」
その言葉に律花が真っ赤になる。相変わらず、面白い。
「わ、私の事はいいじゃない!」
「や、お前の事だから春翔、手が出せてないんじゃないかって心配に ―」
ぼふっと言う音がして、気が付いたら響の視界は真っ暗になっていた。
どうやら律花が手近のクッションを顔面にお見舞いしてくれたらしい。相変わらず兄に対しては容赦がない。
「響のバカ! 帰るわ!お邪魔しました!」
ガラッピシャンと引き戸が開いて閉じる音がする。どうやら間髪入れずに律花は帰ってしまったらしい。
まあ、どうせこの後行く先は知っているので、そこの住人に機嫌を取ってもらうとしよう。
顔面にぶつけられたクッションを顔から引き剥がして手近に置きながら、響は笑い出す。
相変わらず妹はいいリアクションを返してくれて楽しい限りだ。
「クッションでも灼滅者が投げると痛いな」
律花の言うような未練はなかった。
ただ、あるとしたら…
「…詩鶴と連絡とってるヤツってまだいたっけか…」
ポケットに入れておいたスマホを取り出し、アドレス帳から地元に残っているはずの友人たちの名前を検索して、今でも詩鶴と連絡を取ってそうな相手を選び取る。メールアドレスが変わっていればそこまでだが、それはそれで自分が彼女を気にかけるのは止めておけと言うお告げなのだろう。そうすれば簡単に諦めもつく。
新規のメールを片手に、響はどんな内容を書こうか少し悩み始めた。
未練があるとしたら、 あの後、彼女が恋人としての自分の事を忘れてくれているかくらいだから。
◆◆◆◆
ちと真面目な話っぽくなってしまいましたが、響はちっとも引きずってませんって言いたかっただけですw
引きずってないので、今後のRPにもその事は出て来ませんし、詩鶴さんが学園参入する事もないです。
と言うか、そも年齢制限的に無理なのですけども
嘉凪:さあ…?でも、需要があるっぽいし、ね?
とりあえず、人をネタにするお前は灼滅しとくか
嘉凪:ぎにゃー!!!やめてー!!!!
…それはともかく、私を落ち担当に入れるのやめてほしいんだけど…
嘉凪:茶化されて恥ずかしくてジタバタしてるのが何言う
と言うワケで、始まるよ!
響への年始の挨拶と親からの仕送りをお裾分けに来た律花が訪れたある日の事。
「そう言えば、響は深見さんと別れたの?」
先日だしたコタツの片隅で律花がミカンを食べながらぽつりと呟いた。
年始の明けたばかりなので、幸いにもその時その部屋に響と律花以外の人はいなかったのと、
この時期は道路の交通量も多くない。お蔭であまり大きくない呟きは嫌でもお茶の準備をしていた響の耳に届いていた。
「…藪から棒にどうしたんだよ」
溜息を吐きながらお茶を差し出してやれば、一つ礼を言いながら律花は受け取る。
外は相変わらず寒いのだろう。雪は降っていなかったが、それでも冬空の空は寒々と外の寒さを物語っていた。
その空を見上げて、んー、と律花は軽く唸る。そんなに大した理由があって口にしたワケではなさそうだ。
「や、こっちに来て一年経つけど、そう言えば一度も連絡取ってないみたいだし…」
「律は取ってるのか?」
「年始のあいさつメールとかはする程度よ。響にもよろしくって言われたから、別れたのかなと思って」
「ああ。こっちにくる時にな」
湯呑を傾けて思い出すのは、長い黒髪と、下の妹と同じく自分を「ひー君」と呼ぶ声。
深見 詩鶴(ふかみ しづる) 響が以前に交際していた二つ年上の女性だ。
けれど、響が灼滅者として覚醒し、武蔵坂学園に来る際にその関係を終わらせていた女性でもある。
ふと、別れ際に怒鳴りも悲しみもしなかった彼女の顔を思い出しながら、響はつい苦笑した。
そう言えば、詩鶴は家に何度も来た事があったから、律花も仲が良かったから連絡を取っているのも当然だと言うのに、それを今まで妹に告げなかった自分の弱さに苦笑しか零れなかったのだ。
「…なんで別れたの?」
「急にどうしたよ」
今日はやけに食いついてくる律花に苦笑しながら、響は彼女が持ってきた実家からの福岡名物の菓子に手を伸ばす。
そう言えば、詩鶴もこれ好きだったな、とか久々に思い出して袋を開けながら。
「気になっただけよ。でも…なんで?」
「何でって言われても…詩鶴も就職だったし、としか言いようがないが」
「…灼滅者、だから?」
「は?」
「響が灼滅者になったからなの?」
「あー…まあ、それもある」
菓子を口に含むとやたらと甘い味がした。こんなに甘かっただろうか、と心の中で首を傾げるが、きっとそれは実際にも首を傾げてしまっていたのだろう。律花が自分を見る目が少々厳しくなったように感じた。
「じゃあ、なんで」
「色々あるけど…遠距離とか負担かけたくないだろ」
そう、理由は色々あったはずだ。色々あったはずなのに、口から言葉になったのはたった一つの、どうでもいい言葉だった。
ただ、彼女の事を嫌いになったからではない事は覚えている。
他の理由も思い出そうとする微かな仕草を読み取ったのか、律花が怪訝そうな顔をする。
「…今でも好きなんじゃない」
呆れたように呟かれた声。それに響は先程から同じ顔しかしていないのだが、再度苦笑を張り付け…ようとして、
ニヤと口元に笑みを浮かべた。
「だから違うって言ってるだろ。んで、律花は春翔とどうなんだよ」
その言葉に律花が真っ赤になる。相変わらず、面白い。
「わ、私の事はいいじゃない!」
「や、お前の事だから春翔、手が出せてないんじゃないかって心配に ―」
ぼふっと言う音がして、気が付いたら響の視界は真っ暗になっていた。
どうやら律花が手近のクッションを顔面にお見舞いしてくれたらしい。相変わらず兄に対しては容赦がない。
「響のバカ! 帰るわ!お邪魔しました!」
ガラッピシャンと引き戸が開いて閉じる音がする。どうやら間髪入れずに律花は帰ってしまったらしい。
まあ、どうせこの後行く先は知っているので、そこの住人に機嫌を取ってもらうとしよう。
顔面にぶつけられたクッションを顔から引き剥がして手近に置きながら、響は笑い出す。
相変わらず妹はいいリアクションを返してくれて楽しい限りだ。
「クッションでも灼滅者が投げると痛いな」
律花の言うような未練はなかった。
ただ、あるとしたら…
「…詩鶴と連絡とってるヤツってまだいたっけか…」
ポケットに入れておいたスマホを取り出し、アドレス帳から地元に残っているはずの友人たちの名前を検索して、今でも詩鶴と連絡を取ってそうな相手を選び取る。メールアドレスが変わっていればそこまでだが、それはそれで自分が彼女を気にかけるのは止めておけと言うお告げなのだろう。そうすれば簡単に諦めもつく。
新規のメールを片手に、響はどんな内容を書こうか少し悩み始めた。
未練があるとしたら、 あの後、彼女が恋人としての自分の事を忘れてくれているかくらいだから。
◆◆◆◆
ちと真面目な話っぽくなってしまいましたが、響はちっとも引きずってませんって言いたかっただけですw
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HN:
咲宮 奏恵・律花・響
性別:
非公開
自己紹介:
響兄、律花姉と奏恵妹のゆるい日常日記だったり仮プレ置き場です。
たまに出てくる保護者兼、PLは「嘉凪 さと」と言う謎の人物。
TW2、TW3にも同背後がいますが、そちらからのリンクは現在は貼ってません。
■無用なヒント
TW2:背後の名字と同じ姉弟、忍者な女の子、引退した人
TW3:おっさん、天然元気女子、麗人騎士王子、あっさり系姉さん
TW4>>TW2>TW3の頻度で遊んでるはずです
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